NIJIsプロジェクトについて About
NIJIs(New Integrated Japanese Sewage Investigation for COVID-19)プロジェクトは、2020年7月に命名された下水中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)調査プロジェクトの略称です。
わが国ではポリオ環境水サーベイランス(感染症流行予測調査事業)による下水中のポリオウイルス調査を地方衛生研究所(地衛研)が行ってきました。既存の地衛研ネットワークを活用しつつ、大学、国土交通省 国土技術政策総合研究所、地衛研、感染研で構成された研究班が2020年8月に立ち上がり、下水中のSARS-CoV-2調査に取り組むこととなりました。
本サイトにて令和5(2023)年度は国土交通省と厚生労働省との連携による下水サーベイランスの取組状況を公表してきました*。
*令和5年度に解析した下水サーベイランスの結果(本サイトでは更新終了)は別ページへまとめています(自治体独自で継続しているものも含む)。
令和6(2024)年度からSARS-CoV-2下水サーベイランスは、感染症流行予測調査事業感染源調査として新たに加わることとなりました。本調査では地域の新型コロナウイルス感染症の感染動向を把握するための補完情報として活用することを想定しています。このため週1回、ないしは月2回採水を行い下水中の新型コロナウイルス量を測定し、処理場周辺の定点あたり患者報告数と比較を行います。
本サイトでは地衛研の協力により各自治体における下水サーベイランス情報を提供することで、下水サーベイランスの普及・推進に寄与することを目的としています。
お願い
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当サイトの内容について地方公共団体への直接のお問い合わせはお控えください。お問い合わせは、ウェブの最下段にお示ししたフォームよりお願いいたします。
下水中のウイルスRNA量の意味について
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新型コロナウイルスにより感染が成立すると、ウイルスは主に上気道で増殖し、一定の割合で腸管でも増えます。ヒトから排出された唾液や糞便に含まれるウイルスは下水網を介して処理場に集積すると考えられます。このため処理場への流入下水を用いることで、地域におけるウイルスの流行状況を把握できる可能性があります。
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図表で示すウイルス濃度は、下水処理場に流入する未処理の下水(流入水)を採取して、ウイルスRNA量を測定したものです。
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処理区の人口が大きな場合、下水中のウイルスRNA量は地域の感染動向と相関する場合があります。処理区の人口が少ない場合は下水固有の要因が影響し必ずしも感染動向と相関するわけではありません。
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また、表示しているウイルス濃度は各自治体内の特定の処理場の生データであり、各自治体が公開しているデータ(補正等あり)と同一ではない場合があります。
*下水中の新型コロナウイルスからの感染リスクについて
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世界保健機関によれば、新型コロナウイルスは急速に感染性が失われること、また下水処理の有無にかかわらず下水道を介して感染するリスクは低いと考えられています。
(出典:
1)新型コロナウイルス(COVID-19 ウイルス)に関する水、衛生、廃棄物の管理 暫定ガイダンスWHO/2019-nCoV/IPC_WASH/2020.4)
2)World Health Organization. Regional Office for Europe. Wastewater surveillance of SARS-CoV-2: questions and answers (Q&A).2022;WHO/EURO:2022-5274-45038-64164.) -
令和2年に実施した国内調査では下水中のウイルスゲノムをPCRで検出できても、未処理水、処理水とも感染性ウイルスは検出されなかったことを明らかにしています。
(出典:Nagashima M, et.al., RNA Detection Using RT-qPCR and Non-Isolation of SARS-CoV-2 in Concentrated Wastewater (June-August 2020, Tokyo). Jpn J Infect Dis. 2022 Mar 24;75(2):212-215. doi: 10.7883/yoken.JJID.2021.055.)
*本ウェブサイトの運営
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令和6年度厚生労働行政推進調査事業費「医療デジタルトランスフォーメーション時代の重層的な感染症サーベイランス体制の整備に向けた研究(23HA2005)」分担研究「環境水に含まれる新型コロナウイルス等病原体情報の活用に関する研究」班が運営しています。
更新情報 News
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2024年11月21日 6か所の調査結果を更新しました。
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2024年11月15日 9か所の調査結果を更新しました。
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2024年10月24日 5か所の調査結果を更新しました。
調査データ Data
データをご覧になりたい自治体をクリックしてください。
グラフの見方
グラフは調査を実施した自治体の採水地点(下水処理場)におけるウイルス量と処理場周囲の感染動向(定点あたりの報告数)を示したものです。
自治体全体の新型コロナウイルス感染動向を示すグラフではなく、処理場周囲の保健所で把握している定点あたりの報告数(例: 下水処理場の処理区が、複数の保健所にまたがる場合、各保健所に報告された定点あたり報告数を集計したもの)を比較したものです。
縦軸(右側):オレンジ色の点
定点当たりの報告数=処理区を含む各保健所に報告された総数/保健所管轄内の定点数の総数
縦軸(左側):青色の線
下水中の新型コロナウイルスRNA量の測定結果を示しています。下水中のウイルス量は調査地点の数値は下水固有の要因が影響するため、測定結果が処理場毎に異なることに留意ください。
横軸:
感染症発生動向調査事業による患者報告週*に対応します。
*報告週対応表(国立感染症研究所HP) https://www.niid.go.jp/niid/ja/calendar.html
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青森県
更新:2024年11月15日
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岩手県
更新:2024年11月21日
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福島県
更新:2024年11月15日
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富山県
更新:2024年11月15日
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埼玉県
更新:2024年08月30日
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東京都
更新:2024年11月15日
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山梨県
更新:2024年11月21日
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岐阜県
更新:2024年11月15日
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愛知県
更新:2024年11月21日
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兵庫県
更新:2024年11月21日
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奈良県
更新:2024年11月15日
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岡山県
更新:2024年11月15日
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和歌山県
更新:2024年11月15日